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皮膚の疾患

皮膚の疾患皮膚の異常や病気は、年齢関係なく幅広い年代の方に発生する可能性があります。また、皮膚症状から全身に関わる疾患が見つかることも少なくありません。気になる皮膚の症状がある方はお気軽に当院までご相談ください。

当院で診療する主な疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー
皮膚は外部から異物が身体の中に入り込むのを防ぐバリア機能を有しています。
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が十分に働かなくなり、そこに刺激やアレルギー反応が加わることで発症し、慢性的な症状が現れる疾患です。
寛解と再燃を繰り返すことが特徴で、特に発汗量が増える夏季や乾燥しやすい冬季は増悪しやすいです。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療では、ステロイド・プロトピック軟膏・コレクチム軟膏・モイゼルト軟膏などの外用薬、抗ヒスタミン剤などの内服薬を用いた薬物療法を行います。
並行して、再発を予防するための適切なスキンケア、悪化因子を除去し、発症しにくい環境を作るなどのセルフケアも大切です。当院でもアドバイスを実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

ニキビ(尋常性ざ瘡)

皮脂が過剰に分泌され、毛穴に皮脂が溜まることで起こる皮膚トラブルです。初期段階では、毛穴に皮脂が詰まった白ニキビの状態ですが、毛穴が開き詰まった皮脂が酸化し黒く見える状態を黒ニキビと呼びます。さらに毛穴内でアクネ菌が増殖すると炎症を引き起こし赤ニキビとなります。思春期によく見られますが、過労やストレス、睡眠不足、生活習慣の乱れ、誤ったスキンケアなどにより、年齢問わず起こることがあります。早めに治療を行うことで跡になるのを防ぐことが重要です。

ニキビの治療

外用薬を中心とした薬物療法によって治療します。毛穴のつまりを改善するディフェリンゲル、アクネ菌の増殖を抑えるベピオゲル、強力な殺菌作用のあるデュアック配合ゲルなどをニキビのタイプや重症度に応じて使い分けます。また外用薬に加えて、抗菌薬、漢方薬、ビタミン剤などの内服薬も併用して治療を行う場合もあります。

蕁麻疹

蕁麻疹蕁麻疹(じんましん)は、皮膚の一部が盛り上がり、激しいかゆみをおこす疾患です。症状は体の一部だけに現れることも全身に現れることもあります。原因は、アレルギー反応、物理的刺激、ストレスなど、さまざまな要因が関与しますが、原因が特定できないこともあります。多くの場合、症状は数時間~数日で消失しますが、別の部位で連日発症することもあります。

蕁麻疹の治療

基本的には、抗ヒスタミン薬の内服による治療を行います。
症状がひどい場合や長期化する場合は、血液検査で原因となるアレルゲン物質を調べ、生活指導を行います。内服薬は症状に応じて強さや内服期間を調整いたします。

みずむし(足白癬)

水虫みずむしは、真菌(カビ)の一種である白癬菌の感染が原因で生じる疾患で、皮むけ、皮膚がじくじくする、かゆみなどの症状が現れます。足に感染した状態を一般的にみずむし(足白癬)と言います。感染した場所により、しらくも(頭部白癬)、ぜにたむし(体部白癬)、いんきんたむし(股部白癬)などと呼ばれます。
日本は、足白癬を発症しやすい環境で、夏場は国民の5人に1人が足白癬に感染しているといわれています。その他、爪に白癬菌が感染することで起こる爪白癬も多く、10人に1人が感染していると考えられています。

白癬の治療

白癬の治療は抗真菌薬の塗り薬、もしくは内服薬を使用します。症状が治まったと自己判断で治療を中断してしまうと、白癬菌が残ったままになってしまうことがあるため、医師の指示に従い必要期間中は治療を続けましょう。内服薬で治療する場合は、定期的に血液検査を実施する必要があります。

いぼ(尋常性疣贅)

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となって生じる良性の腫瘍で主に手や足裏に見られます。HPVは、健康な皮膚から感染することはないのですが、ごく小さな傷口などから侵入し感染することがあります。発症初期のいぼは、小さく平坦で、かゆみや痛みが現れることはありませんが、時間の経過とともに徐々に大きく盛り上がっていき、いぼの表面が硬くザラザラしてきます。また、足裏に発生したいぼは、全身の体重がかかるので、歩いた時の痛みが現れることがあります。

尋常性疣贅の治療

液体窒素を用いた凍結療法を行います。-196度の非常に冷たい液体をイボに当て、ウイルスに侵されている皮膚を壊死させます。一回の治療でいぼが取れることは少なく、1-2週間毎に凍結療法を行います。治療期間は個人差があり、数週間から、数ヶ月~年単位で長期に渡る場合があります。また、凍結療法で改善が乏しい場合は、塗り薬や漢方薬での治療を追加します。

脂漏性角化症

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、良性腫瘍の一種で、高齢者によく生じることから老人性いぼとも呼ばれています。原因は、加齢や紫外線、摩擦による影響があります。特に紫外線の影響を受けやすい頭や顔、首によくみられます。サイズは人によって異なり、色は淡い茶色の場合もあれば、黒色の場合もあります。

脂漏性角化症の治療

尋常性疣贅と同様に液体窒素を用いた凍結療法を行います。治療は長期に及ぶ可能性があるため、治癒するまでは定期的にご来院いただく必要があります。

帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、ウイルス感染症の一種で、水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症します。初感染時は水ぼうそう(水痘)を生じますが、その後もウイルスが神経に潜伏し、ストレスや過労、加齢などで免疫力が低下した際に再度活性化して帯状疱疹が起こります。症状は、体の片側に痛みやピリピリとした違和感が現れた後に、赤い発疹と小さな水ぶくれ(疱疹)が帯状に広がります。

帯状疱疹の治療

ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の内服と痛みの管理を行います。皮膚の症状が治まった後でも帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが後遺症として残ることがあります。この後遺症には鎮痛剤で対応しますが、数カ月以上痛みが続く場合があります。帯状疱疹は早期の治療が重要ですので症状が気になる方はお早めにご相談ください。

ヘルペス(単純疱疹)

ヘルペスヘルペスは単純ヘルペスウイルスの感染が原因となる病気です。唇や口の周囲に水泡が生じ、ピリピリとした痛みが現れます。治癒後もウイルスは体内に残り、疲れ、風邪など免疫力が低下しているタイミングで再度活動を始めます。水泡が出現している期間は感染リスクが高いため、タオルや食器の共有、性的接触により感染する危険性があるので注意が必要です。

ヘルペスの治療

ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の内服薬や外用薬による薬物療法を行います。ヘルペスも帯状疱疹と同様、早期治療が重要です。症状が出た場合はお早めに当院までご相談ください。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位に発生する皮膚炎です。頭皮の生え際、顔面、耳の周囲、鼻、胸部、背中などに見られ、患部が赤くなり白いフケのようなものが生じます。かゆみも現れますが、程度は個人差があります。成人の脂漏性皮膚炎は、再発しやすい傾向がありますので、気になる症状がありましたらお早めにご相談ください。

脂漏性皮膚炎の治療

抗真菌薬やステロイド外用薬による治療が基本ですが、かゆみを伴う場合は抗ヒスタミン剤の内服薬を使用します。また、脂漏性皮膚炎は再発しやすい特徴があるため、生活習慣の見直しも必要です。

皮脂欠乏性湿疹

皮脂欠乏性湿疹は、皮脂や汗の分泌量が低下して乾燥した部分に、刺激が加わることで生じる疾患です。原因は入浴時の洗いすぎや加齢による皮脂分泌の低下などが挙げられます。特に、乾燥しやすい冬季に起こりやすく、高齢者のすねによく見られます。

皮脂欠乏性湿疹の治療

ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬、保湿剤などにより、乾燥によるかゆみを緩和します。また、乾燥予防のため、皮脂を落としすぎる石鹸の使用を控え、タオルで強く擦らないように気を付けるなど日々のスキンケアも大切です。

手湿疹

手湿疹
手湿疹は手のひらや指などに起こるかゆみ、赤み、乾燥、ひび割れなどの症状の総称です。原因は皮膚のバリア機能の低下です。特に、洗濯や炊事など水仕事をする主婦や手を頻繁に洗う調理師やシャンプーやパーマ液を使う美容師によく見られます。慢性化しやすいですが適切な治療とケアで改善が期待できます。

手湿疹の治療

治療の基本は、保湿剤の適切な使用によって皮膚のバリア機能を改善し乾燥を防ぐことです。炎症やかゆみがひどい場合はステロイド外用薬を併用します。また、水仕事や洗剤を使うときにはゴム手袋や綿手袋を着用するなどのセルフケアも重要です。症状は繰り返すことが多いため、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。

乾癬

乾癬は、皮膚に銀色のフケのような粉(鱗屑:りんせつ)や、境目がはっきりとした赤い発疹が生じる疾患です。幅広い年齢層の方にみられ、症状が目立たなくなる期間(寛解)と再燃を長期間繰り返します。原因は、はっきりとわかっていないのですが、免疫の異常による疾患で遺伝や薬剤、感染症などが影響していると言われています。頻度は稀ですが、白い膿(膿疱:のうほう)や関節の痛み・変形などを伴うケースもあります。

乾癬の治療

ステロイドやビタミンD3などを用いた外用薬治療や内服薬治療を行います。乾癬は完治する疾患ではありませんが、適切な治療によって症状をコントロールすることは可能です。難治性の場合は、光線療法や生物学的製剤による治療のために提携の専門医療機関へ紹介させて頂くこともあります。

蜂窩織炎

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、虫刺されや火傷、水虫などの小さな傷から細菌が侵入することによって生じる細菌感染症です。主な原因菌は、黄色ブドウ球菌や溶結性連鎖球菌です。症状は赤みや腫れ、熱感、痛みなどが挙げられ、適切な治療を行わないと感染が進行し、発熱、頭痛、関節痛などの全身症状が現れ重症化することがあります。

蜂窩織炎の治療

軽症の場合は、抗菌薬の内服治療を行います。症状の程度に応じて、抗菌薬の点滴や切開して膿を出す治療を実施します。蜂窩織炎は、早期に治療を開始することで重症化を防ぐことができます。「皮膚が赤く腫れている」「熱を持っている」と感じた場合は、早めにご相談ください。

やけど(熱傷)

熱傷(やけど)は、熱いものや化学物質、電気などによる皮膚や組織の損傷です。熱傷の部位・面積・深さなどによって重症度を判断し治療方法を決定します。適切な治療を行うことで感染や瘢痕(はんこん)のリスクを最小限に抑えます。

やけどの治療

やけどした場合、まずは水道水などで速やかに患部を冷やしましょう。その後、保冷剤で患部を冷やしながら早めに当院をご受診ください。重症度が軽症の場合は、ステロイドや感染予防・潰瘍を治すための外用剤を使用して定期的に外来で治療を行います。中等症や重症の場合は、点滴や手術による治療が必要となるため、提携している高度医療機関へ速やかにご紹介いたします。

たこ(胼胝)

皮膚が部分的に繰り返し刺激を受けることで分厚くなった状態です。なお、痛みは伴いません。生活習慣次第では、足裏以外の身体の様々な部位にできることがあり、座りだこやペンだこ、乳児の吸いだこなどが知られています。

胼胝の治療

カミソリ、メス、ハサミなどで厚くなった角質を削り取ります。また、スピール膏という貼り薬を使用して硬くなった角質を柔らかくすることもあります。

うおの目(鶏眼)

皮膚に刺激が継続して加わることで角質が硬く厚くなり中心に芯ができます。芯が神経を押すことで歩行時に激しい痛みが現れます。
子どもは大人に比べて皮膚が柔らかいため、鶏眼を発症することは少なく、鶏眼と指摘される方の多くが、ウイルス感染が原因となるいぼ(疣贅:ゆうぜい)であることが多くみられます。

鶏眼の治療

たこ(胼胝)と同様、カミソリ、メス、ハサミなどを使用して治療を行います。特に鶏眼は硬い芯の部分をしっかりと取ることで痛みを取り除くことが可能です。状態に応じて、サイズに適したスピール膏を自宅で貼って頂き、角質を柔らかくしてから切除を実施します。また、歩き方やサイズの合わない靴などが原因をとなっていることがほとんどですので、再発を防止するためのアドバイスを行います。

多汗症

多汗症は、汗腺が過剰に活発になり、必要以上に汗を分泌する状態です。通常、緊張や運動、暑さに伴う発汗は生理的なものですが、多汗症ではこれらの要因に関係なく、過剰な汗が見られるのが特徴です。稀に他の病気によって多汗症を発症している場合もあるため、まずは原因の特定が重要です。
「寒い冬の時期でも目立つほど脇汗が出る」、「汗で紙が濡れて字を書くのに支障が出る」などでお困りの方は是非ご相談下さい。

多汗症の治療

脇の多汗症ではエクロックゲル、ラピフォートワイプが、手のひらの多汗症ではアポハイドローションが保険適応で使用可能です。また、足裏・頭部・顔面・全身の多汗症の場合は、プロバンサインという抗コリン薬を使用します。抗コリン薬は、副作用の観点から前立腺肥大症や閉塞性緑内障をお持ちの患者さんには処方することができません。その場合は、ボツリヌス毒素や交感神経ブロックなどの注射による治療を行うこともあります。

円形脱毛症

円形脱毛症は、突然髪の毛が抜け落ちる自己免疾患の一種で、年齢関係なく誰にでも起こり得る可能性があります。症状は髪の毛だけでなく、まつ毛や眉毛など体毛にまで広がることがあります。円形脱毛症は単独で発症することも多いですが、膠原病や内分泌疾患を背景としている場合があります。そのため、円形脱毛症の治療にあたっては、基礎疾患が存在するかどうかを調べることが重要です。
脱毛の程度が軽い場合は自然治癒が期待でき、自覚しないうちに自然に治ることもよくありますが、急激に症状が起きた場合、症状が広範囲に広がっている場合、症状が中々治まらない場合は、そのままにせず当院までご相談ください。

円形脱毛症の治療

ステロイドやカルプロニウム塩化物水和物の外用薬を使用します。また、内服治療薬もありますが、適応となる患者さんの状態が限定されており全員の患者さんに使用することはできません。症状に応じた治療方法をご提案いたします。